遊戯王ユーザのためのMTG講座(4)

今回はマジックで採用されているスタックシステムとチェーンブロックの違いについての解説です。

リンク:ルール質問集に最近のカードに関するFAQがまとめられています。一度は通読することをオススメします。


マジックのスタックは遊戯王のチェーンブロックと同じ意味でとらえてもらって構いません。どちらも先入れ後出しの原則に則っています。しかし、いくつか根本的に違う点があるのでその点に絞って解説します。

優先権
カードのプレイを行ってもよいという権利。優先権は常にターンプレイヤーが先に得ます。ターンプレイヤーがパスをしたときのみ優先権が移動します。優先権を得ていないプレイヤーは何も行動することができないので注意してください。

1.呪文をプレイしても優先権は相手に移動しない。
遊戯王では魔法・罠を発動すれば自動的に優先権が相手に移りました。マジックでは自分から明示的にパスをしない限り優先権は移動しません。ですから、俗に言う自分チェーンを相手の許可なく行えます。

しかし、実際のプレイでは遊戯王と同じように何かをプレイしたら暗黙の了解で優先権が相手に移ります。よって、優先権を渡さずに連続してプレイや効果の発動をしたい場合にその旨を相手に伝えます。

2.双方のプレイヤーがパスをした場合、スタックの一番上の呪文が解決される。
遊戯王では逆順処理中の割り込みはできませんでした。マジックでは自分がパスをし、相手もパスをした場合にスタックの一番上に乗っている呪文だけが解決されます。呪文が解決したあとはターンプレイヤーに優先権が移ります。

具体的な例を挙げて説明しましょう。相手が《神の怒り/Wrath of God(8ED)》(ブラック・ホール効果)を使ってきました。これはなんとしてもカウンターしたいのですが、手札にカウンター呪文がありません。そこで仕方なく《霊感/Inspiration(8ED)》(2枚ドロー)を対応してプレイしました。こちらは《霊感/Inspiration》を解決したいのでパス、相手もすることがないのでパスしました。お互いがパスしたので《霊感/Inspiration》を解決し2枚ドローしました。

遊戯王ではこのまま《神の怒り/Wrath of God》も解決する処理になるのですがマジックでは違います。スタックの一番上の呪文が解決されたので、優先権がターンプレイヤーである相手に移ります。しかし、相手はすることがないのでパス。これで優先権がこちらに来ました。2枚ドローした中に《巻き直し/Rewind(8ED)》(確定カウンター)があったので、《神の怒り/Wrath of God》を対象に《巻き直し/Rewind》がプレイ出来るのです。こうして無事に《神の怒り/Wrath of God》をカウンターすることができました。

このようにマジックでは非常に柔軟なスタックシステムを採用しています。自分と相手の両方が連続してパスをしたら、スタックの一番上の呪文(だけ)を解決する。つまり、自分がパスをしなければ相手がプレイした呪文は解決されないのです。

スペルスピード
遊戯王にはスペルスピード1、2、3という区別がありましたが、マジックにはありません。基本的にはすべてスペルスピード2だと思ってもらって構いません。そしてスペルスピード3は存在しません。ただし、ソーサリー、エンチャント、アーティファクト、クリーチャー呪文は自分のメインフェイズでスタックが空、そして優先権を持っているときにしかプレイ出来ません。あえて言うならこれらがスペルスピード1になるでしょうか。

遊戯王の起動効果はすべてスペルスピード1で自分のメインフェイズにしか使えませんでした。しかし、マジックの起動型効果は自分が優先権を持っているときであればいつでも使用可能です。要するにスペルスピード2なのです。たまに例外がありますが、そういう場合はカードに書いてあります。

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