ニュートラルサハクィエルエルフの紹介と解説

■デッキ概要

ニュートラルサハクィエルエルフというデッキ名からも分かる通り、ワンダーランド・ドリームズで登場した手札のニュートラルカードの枚数が3枚以上になると強化されるニュートラルとエルフカードを使ったデッキです。序盤をフォロワー除去カードと3/4守護になる《心優しき木人》でしのぎ、中盤を《ヘクトル》や《クリスタリア・エリン》の守護コンビとバフされ破壊耐性を持った《ビューティ&ビースト》で乗り切り、終盤は《サハクィエル》から出てくるニュートラルレジェンドカードで押し返します。フォロワー除去、守護、ライフ回復カードがふんだんに採用されており、基本的にどのようなデッキにも対応できるようになっています。ちゃぶ台返しの《バハムート》もいますので、アミュレット中心デッキにも対応できます。逆に言うと《バハムート》では対応しきれない《ヘヴンリーイージス》や《デュエリスト・モルディカイ》などを出されると苦戦は免れません。

ニュートラルエルフというと2/2/2から始まるビートダウンタイプが一般的だと思います。しかし、このデッキはエルフのニュートラル参照カードのカードパワー的に《エルフの双撃》、《木人》、《美女と野獣》(以下野獣)のみに絞りました。更にこれらのカードがしっかりと仕事をするように通常のエルフカードを極力少なくし、かつ《鏡の世界》まで投入しています。そこまでしても使う価値のある3種類だと判断しました。

デッキの形としてはあるじさんが環境初期に発表されました
【シャドウバース】コントロールニュートラルエルフの最新デッキレシピと立ち回り【WLD】
の思想を受け継いでいますが、直接参考にしたのは台湾のプレイヤーさんが考案したデッキです。又聞きなのでどなたなのか特定することはできません。その後ナーフがあり、某RAGE予選プレーオフ進出プレイヤーのレシピを見て《サハクィエル》から出せるレジェンドを真似しました。それではレシピの紹介と解説に移ります。

■デッキレシピ

デッキコードを発行する

半年前からは考えられないことですが、エルフの絶対的な2枚のカードの《リノセウス》《エンシェントエルフ》が両方とも入っていません。ニュートラルでないことによるデメリットがメリットを上回りました。リノ算が苦手でエルフは使っていないという方にもおすすめできます。7万エーテル必要ですが。

 

■採用カード紹介

採用枚数は《覇食帝・カイザ》と《ルシフェル》が2枚、他は全て3枚です。

2コスト 《鏡の世界》

ニュートラルカードばかりなので採用する必要はないという考えもあると思いますが、思った以上にエルフカードがネックになって安定した《木人》、《ヘクトル》、《野獣》の条件を満たすことができません。このデッキに関して言えば手札にあるニュートラルのカードはその枚数で強化されるカードがあるためそれだけで仕事をするのに対し、エルフカードはいくらあっても《野獣》等の条件を満たせず邪魔なだけと言っても過言ではありません。ニュートラル化効果は《双撃》のダメージアップ、《不思議の探求者・アリス》のバフ対象にする、安定した《ヘクトル》の運用など地味にいい仕事をします。基本的に2ターン目を逃すと使用タイミングがないので、使える時にプレイして下さい。私は手札が全てニュートラルカードの場合でもプレイしています。

2コスト 《森荒らしへの報い》

プレイしても手札の枚数が減らないエルフの定番除去カード。後攻時には初手にキープしておきたいカードです。手札に加わるフェアリーは基本的にプレイしないで手札に抱えておきます。6ターン目に強化された《野獣》を出すためには手札の枚数が重要になってくるからです。

2コスト 《エルフの双撃》

WLDまでにおけるシャドウバース最強のフォロワー除去カードです。相手フォロワーが2体いる時にプレイするのが理想ですが、こちらが守護持ちを持っていない場合などはケチらずに使っていきます。結構な枚数のエルフカードが入っている関係でダメージが足らない場合があるので注意して下さい。ダメージを何点出せるのかは表示されませんので、手札のニュートラルカードの枚数をしっかりと確認してからプレイしましょう。

3コスト 《覇食帝・カイザ》

マリガン時に手札に残しておきたいニュートラルカードの筆頭です。プレイしても手札が減らないカードはこのデッキにとっては大変貴重です。更に《アルティメットキャロット》はラストワードで手札に戻ってくるニュートラルカード。PPが余ったらどんどん《人参》はプレイして大丈夫です。複数枚手札に来ても2枚目をプレイするタイミングがないことが多いため2枚になっています。

3コスト 《風の軍神・グリームニル》

ナーフによってエンハンスでプレイしても相手にはダメージが入らなくなってしまいましたが、こちらも対処不可能な4点を受けることがなくなったのでトントンと言ったところでしょうか。エンハンスでのプレイを視野に入れて運用しますが、他にプレイするカードがない場合は出さざるを得ない場合も多いです。

3コスト 《心優しき木人》

3/3/4守護という序盤を支えるには十分なスタッツを持っています。体力が4あるので《豪拳の用心棒》に破壊されないのもメリットです。手札が事故って強化できない状態で3ターン目に出さざるを得なくなったら、相手によってはリタイアしてもいいかもしれません。このデッキはニュートラルカードが手札に3枚ある状態を維持して戦う事が絶対条件ですから、続けても勝機は薄いと思います。

4コスト 《不思議の探求者・アリス》

最初は《ゴブリンブレイカー・ティナ》だった枠で、ビートダウン型のニュートラルデッキではないため必須というわけではありません。《アリス》を使うデッキの減少から《ティナ》の働きがいまいちになったために入れ替えました。高コストのニュートラルフォロワーばかりなので後続を強化するのがメインの使い方になります。しかし、《サハクィエル》でいったん場に出してしまうとバフが消えてしまうので注意が必要です。

5コスト 《ヘクトル》

個人的にはこのカードがあるからデッキが成立していると言っても過言ではないレベルで強いカードだと思います。好きなところに3点。詰めにも使えますが、基本的に進化でこちらのフォロワーを討ち取った相手を落とすためのカードです。《アリス》のバフを受けた状態で進化すると7/7守護となり進化した《水竜神の巫女》とも相打ちが取れます。

6コスト 《クリスタリア・エリン》

あるじさんのデッキには入っていなかったカードで、エルフカードにもかかわらずデッキに入れた台湾のプレイヤーさんは本当に慧眼だと思います。アグロが嫌がる要素を全部詰め込んだカードであり、コントロールデッキ相手に対してもエンハンスでプレイすることでEPの回復ができます。《イスラーフィール》まで進化権を残しておくことは難しいのですが、採用枚数の少ない8コストでのエンハンスがデッキにピッタリです。

6コスト 《ビューティ&ビースト》

ひとことで言えば耐性が少し減った代わりに3ターン早く出せる《イージス》です。6ターン目なら必ず進化権が残っているのも魅力。プレイするタイミングを計る必要もありません。なるべくなら相手の進化フォロワーを討ち取らずに空進化で出せる状況でプレイしたいカードです。進化後のスタッツは9/10になるので超越ウィッチの《フレイムデストロイヤー》の進化攻撃にすら耐えます。デッキ的に超越に対しては無理なのですが、《野獣》が空進化できれば勝てます。アリスのバフがかかった状態だと10/11になりますから、ランプドラゴンで使われる主要なカードが進化しても相打ちにすらできません。イージスビショップに対しても《野獣》が生き残れば勝ちです。このようにコントロールデッキでは本来厳しい戦いになるマッチアップの相性をひっくり返す可能性がある《野獣》が使えるのがこのデッキの強みと言えるでしょう。

7コスト 《サハクィエル》

7PPからはこのデッキの時間です。アグロ相手ならサハルシで相手のゴール地点を後ろにずらしたり、サハイスラーで相手フォロワーを全滅させたり。デッキに何枚でも入れたいカードですが、ドローに乏しいこのデッキでは自力で引いてくることを祈りましょう。他のカードがキープできる場合、マリガンで返さずに残すという選択肢もあると思います。

8コスト 《ルシフェル》

元祖アグロに引導を渡すカード。普通にプレイすると一歩遅いカードなので《サハクィエル》から出して4点ゲインをメインに考えています。普通にプレイする優先度は低く最後に出すカードになりがちです。

9コスト 《イスラーフィール》

ニュートラルデッキが猛威を振るっていた頃は体力3のフォロワーに成長することが多かったのでいまいち活躍できませんでしたけど、今の環境なら問題なく運用できると思います。進化権を使って相手の《魔将軍・ヘクター》が作った場を1枚できれいにできますので、進化権を残すなり《エリン》で増やすなりして使いたいカードです。

10コスト 《バハムート》

ザ・ちゃぶ台返し。ほとんどの場を掃除して何もなかったことにできるのは大きな魅力です。進化権を必要としないのも素晴らしいです。出番まで手札にいてもニュートラル参照カードの役に立っているのが他のデッキとの大きな違いです。《アリス》のバフを受けると《サハクィエル》で出すことで、ランプドラゴンが早出しした相手の《バハムート》を一方的に討ち取れるのが楽しいです。

■マリガン基準

全般

アグロやミッドレンジなどのビートダウンが想定される場合は《森荒らし》、《双撃》のフォロワー除去を探したいです。《木人》も序盤の攻勢をシャットダウンできるので有用です。ただし一番重要なのはニュートラルカードを最低1枚は確保しておくことです。ベストは《カイザ》でこれは多くの場合残しておくカードになります。

先攻なら《木人》を一番に探します。《木人》、《双撃》、ニュートラルなら《双撃》だけを返すことも視野に入れます。ニュートラルの枚数を参照するエルフカードのキープは1枚までです。

後攻の場合は1ターン目にドローできる枚数が1枚多くなりますので、ニュートラル1枚キープの原則には縛られすぎない方がいいと思います。第一に《森荒らし》《双撃》を探します。後攻2ターン目なら《森荒らし》が仕事をするので両方キープでいいでしょう。とにかく先攻の出してくるフォロワーを全力で除去してライフを守る行動ができる手札を目指します。

コントロールが予想される場合は《野獣》を全力で探しに行ってもいいと思います。これ1枚で相手に勝てるカードがあるならそのカードを探したいです。

エルフ

絶対数が少なく対戦数も少ない状態の上、相手のデッキを予想することが困難です。対アグロを想定したマリガンでいいと思います。冥府エルフだった場合は《バハムート》が出せるところまで何とか耐えましょう。

ロイヤル

コントロールロイヤルはあとで引いてきた《バハムート》が何とかしてくれますので、全力でアグロ対策をしたマリガンを考えます。《旅ガエル》を落とせる《双撃》をメインに探すのがよいと思います。

ウィッチ

ニュートラルウィッチを想定したマリガンをすればいいでしょう。秘術ウィッチは火力で焼き切られないように注意すれば負ける要素がありません。超越ウィッチだったら諦めるのが潔いと思います。

ドラゴン

ランプドラゴンと決めつけていいと思います。基本的に厳しい戦いになるので《野獣》を全力で探すのがいいと思います。それ以外に勝ち目はほとんどありません。

ヴァンパイア

アグロのスピードに対抗できるようなマリガンが必要です。少しでも引きが悪いとすぐに負けます。コントロールヴァンパイアだった場合はこちらの方が《バハムート》の枚数が多いことが予想されますから、何とか押し切れるような気がします。

ネクロマンサー

ミッドレンジネクロを想定してマリガンします。《木人》とニュートラルカードをキープでしょうか。自分の場合絶望的に勝率が悪いので正直どうすればいいのかよくわかりません。《ヘクター》がこちらの持ち札をことごとく破ってくるからです。こちらからは破壊したくないラストワード持ちがいること、ばらまかれるスケルトンのせいで《双撃》が有効に機能しないことが多いのも悩みの種です。

ビショップ

全力で《野獣》を探しに行きます。《イージス》を出されたら終わりなのでそれまでに《野獣》で勝負を付けたいです。

■立ち回り

序盤

基本的に1ターンにカードを1枚だけプレイするようにして先攻5ターン目の《ヘクトル》、6ターン目の《野獣》が条件を満たすようにします。《グリームニル》はプレイしないで《ヘクトル》の条件を満たすために待機させるという判断も必要になってきます。

中盤

基本的に進化を使って盤面を取り合います。《ヘクトル》がプレイできない場合は厳しいことも多いですが、《木人》を進化させれば5/6にはなるのでどうにか踏ん張りましょう。《野獣》は積極的にプレイしていいと思います。相手からしてみれば攻撃力9のフォロワーは放置できませんからね。

終盤

サハルシ、サハイスラーからライフ回復、盤面の掌握を開始します。困った時の《バハムート》もありますから余裕を持って対応しましょう。

■デッキ相性

対戦数の多くない個人的な戦績を元にしていますので、体感で違うという印象を持つ方も多いと思いますが一応。《野獣》が活躍するか否かで勝敗が決定するマッチアップが結構多いです。

有利

秘術ウィッチ

微有利

アグロロイヤル
アグロヴァンパイア
コントロールヴァンパイア

五分

イージスビショップ
エイラビショップ

微不利

ランプドラゴン
超越ウィッチ
ネフティスネクロ
ニュートラルエルフ
ニュートラルウィッチ
復讐ヴァンパイア

不利

ミッドレンジネクロ

■最後に

TOG環境でも《サハクィエル》を入れたエルフデッキを見かけましたが、終盤になって強いのはサハクィエルシステムだから使っているという感じでした。WLDでニュートラルカードをデッキに入れる意味のあるカードが追加され、《サハクィエル》をデッキに入れることに明確な理由ができました。《野獣》を作ったはいいけど使い道が見つからないという方は試してみてはいかがでしょうか。次のパックでニュートラル関連カードが引き続き収録されるかは不明です。決して次のパックでお払い箱になりかねない《野獣》を生成してまで作る価値のあるデッキではありませんので、その点はお間違えのないよう。

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